笹沼裕二ウェブサイト

研究概要

Research 1

高分子の構造・物性・機能相関の解明と分子設計

千葉大学での研究です。
<2007年~現在に至る>

グリーンポリマーこの分野の論文リスト

生分解性ポリマーのコンホメーション特性を明らかにし、分子特性と溶液物性・結晶構造・熱的性質・分解酵素の選択性と相互作用の関係を明らかにしている。これまでに扱ったポリマーは、バクテリアが合成し分解するポリヒドロキシ酪酸(PHB)、天然物由来の原料から合成されるポリ乳酸(PLA)、石油由来のポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)。

さらに、外科手術の縫合糸に使われるポリグリコール酸、PHBとの共重合化で物性を向上させるポリヒドロキシ吉草酸、ポリ乳酸の同族体であるポリ2-ヒドロキシブチレート、開環重合で高分子量化できるポリカプロラクトンのポリエステル類に加え、ポリアミドで生分解性を示すナイロン4へと対象を拡げている。これで生分解性ポリマーとして実用化されているもの、開発・基礎研究が進められているものをほぼ網羅できる。

生分解性ポリマーに加え、炭酸ガスを吸着するポリマーとしてポリエチレンイミン、ポリN-メチルエチレンイミン、ポリトリメチレンイミン、ポリN-メチルトリメチレンイミンを、炭酸ガスからつくられるポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリブチレンカーボネート、ポリシクロヘキセンカーボネートについても研究を進めている。

【図】(R)-3-ヒドロキシブチレートオリゴマーと分解酵素との錯体の結晶構造。(a) Protein Data Bankに保存されているデータをソフトウェアProtein Workshopで描画したもの。(b) オリゴマーのコンホメーション。二面角と立体配座、および水素結合のN---OおよびO---O 間の距離を図中に示す。Unit Bは最安定配座を、Unit Aは準安定配座をとる。Nature Publishing Groupの著作権指針に従いPolymer Journal 45, 727-737 (2013) から引用。

研究制度

  • 科研費 基盤研究(C)「高精度量子化学・統計力学計算による高分子の構造・物性予測との展開と検証」(研究代表、単独) [平成22~24年度]
  • 科研費 基盤研究(C)「環境調和高分子のコンホメーション特性と構造・物性・機能相関の解明」(研究代表、単独) [平成28~30年度]
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